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雨(米英?)
 


雨の夜は寝つきが悪いことを、あいつは知っている。

「君んちだと1年の半分以上は寝不足になるってことだね!馬鹿だね!」

けたけたとあいつは笑い、それでも電話を切る直前に一言、おやすみアーサー、良い夢を。と呟いた。
その一言がまた俺を眠れなくさせる。あいつは分かっているんだろうか。知っているとしたら酷い嫌がらせだ。


おまえのほうが本当は寝不足だろうに。

内政やら外交やら、あいつが忙しなく働きづめで、さっきの電話だって遅い夕飯を食べながらの電話だった。
それでも雨の時期になると、3日と空けずに電話をかけてくる。

内容は些細なことだ。
新しいパン屋がおいしいだとか、今年は海に行けなかったとか、新しいシャツがとてもよかったとか。

だけどその声を聞くだけで、俺が泣きたい気分になること、おまえは知らないだろう?

「今年の梅雨が長引くとしたらおまえのせいだ、ばぁか。」

そうして何年も何年も。
長い梅雨を続けてきていくのだろうけれど。

長い梅雨のほんの僅かな面映ゆい理由を、奴に教えてやる気は、まだない。


もぞ、と寝がえりを一つうつ。



遠いどこかで、雨が香った気がした。


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